「ステップフォード・ワイフ」 

 「ステップフォード・ワイフ」 ヨーダの送る豪華「コメディ」

「ステップフォードワイフ」は、ニコール・キッドマンクリストファー・ウォーケン、マシュー・ブロドリック、ベッド・ミドラー、そしてグレン・クロース、と主役級をまさに豪華にそろえた新作映画。
 原作は、かの「ローズマリーの赤ちゃん」のアイラ・レヴィンによるもの。本国ではテレビ化、続編化されたこともあるらしく、なにかしら「アメリカ」の心を捉えるものであるらしい。
 どうも日本では「サスペンス」として宣伝をしているような気がするのだが、前評判を全く知らずに見た私からのジャンルわけは、あきらかなる「コメディ」であるとここで明記しておく。
 

 ジョアンナ(キッドマン)はテレビ会社の重役であり、人気番組のホステスも務めるいわゆる「仕事の出来るいい女」。ところがそのえげつないやり方が出演者の殺意をあおり、公開録画で殺されかける羽目に。
 この出来事で職を追われたジョアンナは、夫(ブロドリック)や子供たちとコネチカットの美しい郊外町ステップフォードに引っ越してきた。そこにはその町を取り仕切るてきぱきとした中年女性(クロース)と、街の男性たちの「クラブ」のドンを勤めるその夫(ウォーケン)、そして、皆一様に美しいが、精気にかける「妻たち」がいた。
 ウーマンリブ作家(ベッド・ミドラー)とともに、どうにかその町になじもうとするジョアンナなのだが・・。


 「永遠に美しく」(ゴールディー・ホーン&メリル・ストリープ)をご覧になった方がいるだろうか。テレビで繰り返し放映されているから、見た方も多いと思う。
 さて、「永遠に美しく」、当時としては度肝を抜いたあのSFXはおいておいて、あなたは、ストーリー的に楽しめる人でしたか?私は大好きな映画なのですが、あの、

「ちょっとブラックはいったコメディーだよね、でもなんだかくだんないような、もしかしたら俳優がいいからどうにかなってんじゃない?いやでも、豪華俳優陣がこういうアホな話やるのって、楽しいよね」なノリ....

これを楽しめるあなたなら、映画館に行くか否かは別として、きっと楽しめる映画。それが「ステップ・フォードワイフ」です。逆に、この「あの豪華俳優でこんな映画?!」的な楽しみが出来ない人には、ちっとも喜べない映画であることも、しっかりとつけくわえておきましょう。

 ですがですが、やはりなんといっても俳優陣がとてつもなく豪華!「運命の逆転」で昏睡していても演技が上手だったグレン・クロースが、「101」ばりの怪演ぶりだし、主役のキッドマンは細くてながぁい体と手足をジタバタと動かし、髪を黒髪に染めての登場だし、ベッド・ミドラーはさすが彼女!と思わせるコメディエンヌぶりをいかんなく発揮するし、とにかく「ちょっとおふざけ入ったストーリー展開」の中で見せる俳優陣のおちゃらけぶり、なりきりぶりは見事の一言。年をとってもやっぱり胡散臭い男NO1のウォーケンや、オロオロさせたら右に出るものがいないブロドリックなども、なかなかの配役。

 ただ、本当は、「ジョン・キューザックジョーン・キューザック姉妹」(「マルコビッチの穴」と「アダムスファミリー2」の看護婦の姉弟)が出るはずだったらしいけど、ちょっとした騒動で降板したという話を聞くと、多少残念だけどね。この二人、だって実力派うさんくさくさ姉弟だもん・・

 ストーリーはいたってシンプル。「ステップフォードの妻たちには秘密がある」んです。結婚生活の真髄、この秘密とは・・。

 さて、監督は「スター・ウォーズ」のマスター・ヨーダマペット師、「ダーククリスタル」が基本形で、最近では「スコア」なんか撮ってどーしたん?と思ってたフランク・オズ

 しかししかし、この映画最高のおふざけは、まさにこのストーリーを、かの伝説のマペット師、フランク・オズが自ら選び、メガホンをとっていること。

この映画最高の「しかけ」は何か?それを、是非ぜひ、楽しんでやってください。

映画として 6/10
フランク・オズ映画として 7/10