2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

華氏9/11 (3)

『華氏9/11」 批判と声と映像と (3) 昨日、おとといと、「華氏9・11」の内容における、すさまじいまでのブッシュ批判・アメリカ政府、メディアがけして拾わない声、という二点について語ってきた。 しかし、こう書くと、まるで普通のNHKドキュメン…

華氏9/11 (2)

昨日たくさんのかたからコメントをいただいたが、やはりムーア本人は、日本人にはあまり好印象を抱かれていないことがはっきりしたように思う。やはりあの、あまりに激情的で直球勝負なブッシュ批判が、日本人には濃すぎて受け付けられないのであろう。 映画…

華氏9/11(1)

華氏9/11 批判と声と映像と (1) はじめに言っておこう。私はマイケル・ムーア本人は好きではない。メディアに現れるその姿は、「アメリカ的な、あまりにアメリカ的な」、エキサイトしやすく、あまりにストレートに己の主張を語り、お世辞にも知的とも素敵…

「ラスト・サムライ」

「ラスト・サムライ」 日本映画版「カイロの紫の薔薇 「カイロの紫の薔薇」という映画を知っているだろうか。ウディ・アレン監督作品であるが、こんな内容だ。夫とうまくいっていない中年の映画大好き主婦が、映画の中に入ってしまう。(というより、映画の…

「ドッグヴィル」 (2) 「

(批評のためにネタバレしています)ドッグヴィルには、さまざまな人間が住んでいる。 自説を証明したいとやっきになっている自称思想家のトムや、リンゴ農園をやっている元都会人の男とその妻の子沢山一家、村で唯一の黒人とその肢体不自由な娘、家を持たな…

「ドッグヴィル」   人間とはいかに汚ら

ここ数年私が目にした中で、最もよく練り上げられた「小説」、それがこの、ラースフォントリアー(ダンサーインザダーク)監督・脚本の「ドッグヴィル」である。 チョークで引いた線のみでできた、簡単な地図のような、道や家の見取り図(時にドアや窓くらい…