2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ディープ・ブルー

人間が生態系の中心であるとか、全生物の進化の頂点であるとか、そう奢るようになって、どれだけになるのだろうか。ルネサンスは人間の美しさをひたすらにたたえ、科学は人間の知の粋としてもてはやされ、クローン羊のドリーは人間が神の領域に達した証明で…

コンスタンティン

キアヌ・リーブスが「マトリックス」的な格好よさを見せると鳴り物入りの映画、「コンスタンティン」である。 ジョン・コンスタンティンは、悪魔祓いを生業とする男。肺がんで余命いくばくもない彼は、悪魔との壮絶な戦いを生き延びてきたハードボイルドだが…

バッド・エデュケーション

(批評ですが、ストーリーをネタバレさせているわけではありません) ペドロ・アルモドバル監督の、最新作。「半自叙伝」と呼ばれるこの作品の主役は、映画監督エンリケと、その少年時代の親友イグナシオの二人。熱く悲しい愛の物語である。1980年、マドリッ…

オールドボーイ

「JSA」のパク・チャヌク監督が、かのカンヌ映画祭でグランプリも獲得した、紛れも無い傑作である。 オ・デスは妻と一人娘を持つ、遊び人ではあるが極めて平凡なサラリーマン。が、娘の誕生日プレゼントを持ち帰る雨の中、忽然と姿を消す。 彼が次に目覚…

マシニスト (批評・ネタバレ)

"Ghost in the Machinist"―死と再生のために 批評ですので、結末に関するネタバレが含まれます。ネタバレでないレビューは前日にあります ギルバート・ライルは、科学中心主義の、「肉体と精神は全く別のもの」という考え方に対し、侮蔑の意味も込めて、こう…

マシニスト (ネタバレ無し)

工場で働く機械工(マシニスト)のトレバー(クリスチャン・ベイル)。すでに365日、寝ていない。極度の不眠症で、骨と皮となった彼の心の癒しは娼婦のスティービー(ジェニファー・ジェイソン・リー)や、空港のコーヒーショップのウェイトレス、マリア(ア…