2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「ウォルター少年と夏の休日」

「ウォルター少年と夏の休日」と「ビッグフィッシュ」−二つの同じ物語 監督・脚本はティム・マッキャンリーズ。実はこの映画、どうやら、かの感動作ティム・バートンの「ビッグ・フィッシュ」へのいわば対抗馬、いや、二匹目のどじょう映画であるようだ。マ…

「ターミナル」 (2)風刺として読む

「ターミナル」 (2) (※批評ですので、ネタばれが含まれます) ターミナル、の基本構造は、東欧からの素朴で純粋な男が、こりかたまったアメリカ(の縮図空港)にさわやかな風をふかす、というものだ。このヨーロッパ・アメリカ間での「新しい風・さわやか…

「ターミナル」 (1)

「ターミナル」 (1) その背景いまさらながら、「ターミナル」である。詳しいことをご存じない方がいないとも限らないので、少しばかりこの映画の背景について説明することから今日は始めようかと思う。(ご存知の方は、次の日の批評へどうぞ)このトム・…

「ワン・コイン・ヘブン」 

「ワン・コイン・ヘブン」 In god We Trust 原題:In God We Trustとは、アメリカのコインに刻まれている言葉。われわれは(お金ではなく)神に信心をおき神に集います といったところだろうか。 道端に落ちていた 10 セント銀貨を拾ったばかりにトラックに…

ロスト・イン・トランスレーション

「ロスト・イン・トランスレーション」 失うことの価値 マルチに活躍するソフィア・コッポラの、「ヴァージン・スーサイズ」につぐ映画作品である。もちろん今回も脚本、メガホンともにソフィア・コッポラ本人。彼女が目にした日本を舞台に繰り広げられるラ…

10億分の1の男

「10億分の1の男」 傑作ミステリアス・サスペンス 監督・脚本はスペインの新鋭、ファン・カルロス・フレナディージョ。スペイン・ゴヤ賞の最優秀新人監督賞を受賞した、傑作である。 荒涼とした砂漠にある一軒のカジノ。フェデリコはそこで「運」を操る仕事…