「幸せになるためのイタリア語講座」 

 「幸せになるためのイタリア語講座」 哀しくて暖まるデンマークのカフェをどうぞ。

荒くれスタジアムカフェ・マスター= やんちゃなハンサム
のんびり新米代理牧師=優柔不断のやもめ男
優しきホテルフロント=悩めるイ○ポ

ケバ系美人美容師=アル中母の優しき介護者
新しい一歩を踏み出すパン屋店員=スーパー不器用女性
超美人ウェイトレス=恋するイタリア人

と、このメンバーがデンマークの片田舎の町で繰り広げる、人生模様、恋模様、イタリア語模様(?!)、それが、今回の映画、「幸せになるためのイタリア語講座」である。

先日からとりあげているトリアー監督(「ドッグヴィル」「奇跡の海」)は、本国で「ドグマ・ルール」という映画制作に関する十か条を提唱しているのだが、(これに関してはこちらを参照のこと。ちなみに微妙に、トリアー作品、この7番に反してる気がするんですけど・・?)これにのっとって作られた12番目の作品が、本作品である。であるから、当然トリアー作品と似たようなカメラワークであるし、似たような色合いなのに、その捉えているもの、目を向けているのはまさに正反対。トリアー監督は、普通の日常の中に潜む暗い穴を広げて行くことで映画をすすめていくけれど、この、「幸せになるためのイタリア語講座」は、暗い人生の穴を見つめながらも、そのほころびを少しずつ小さなステッチで繕っていくような、そんな温かみのある作品。監督は、ロネ・シェルフィグという女性監督で、その他の作品でも、数々の受賞経験のある実力派である。ちなみにこの作品は、ベルリン映画祭の銀熊賞を受賞している。

デンマークの田舎町。一人の新米牧師がやってくる。彼の周辺の5人の男女たち。彼らは彼らなりの悩みを抱えながらも、幸せを、新しい一歩を模索していた。それがすこしづつ、三つの大きな結び目となって行く。彼らが幸せを探しに訪れた、夜間の市民「イタリア語講座」で・・・

みんな哀しく不安で、そしてほんのり暖かい。人を信じ、愛せば、小さな一歩は大きな一歩(なんとみんなでイタリアまで行ってしまうのだ!)になる・・そんな優しいこの映画

結論

いい作品ですが、なにせ派手なシーンがないもんで、ハリウッドに慣れた皆様を考慮して、350円で。
デンマーク版、「ラブ・アクチュアリー」?