「僕の妻はシャルロット・ゲーンスブール」 かわいくて笑えるフレン


 イヴァンはパリのスポーツ記者。ひたすら男の世界にいた彼が恋に落ち、結婚した。相手は女優シャルロット・ゲーンスブール。彼女は有名な女優だから、お店だって顔パスだし、スピード違反だって見逃してもらえるし・・・だけれど、ゆっくり落ち着いて食事も出来ないし、姉貴の知り合いには「女優と結婚ってどうよ?演技でも、他の男とがんがんキスしてるんだぜ?どうよ?」なんて詰め寄られちゃうし、もう散々。不安になってロンドンで撮影している彼女のところに行ってみると・・えぇぇぇぇ!だし・・。
 なんとなく仲たがいした二人。彼女は共演のジョン(テレンス・スタンプ)に口説かれまくりの一方で、イヴァンは演技するということ自体を知ろうと、演劇コースに入ってみることにした・・。


シャルロット・ゲーンスブールという名前をご存知だろうか。もしあなたが知らなかったら、よかったら、今ここで読むのをやめて、ビデオを借りて、そしてまたこのページに戻ってきませんか。そんな楽しみ方も、きっとおつなはずです。


そして、シャルロット・ゲーンスブールをご存知のみなさんへ。なんと実名でご登場するご本人です。それだけでもずいぶん奇をてらった話なのですが、ここで描かれるのは、スター女優の日常と、マスコミには身をおくものの、平々凡々でぱっとしない夫との、どたばたとほのぼのと、愛し合っていながらひょんなことですれ違ってしまいながら、互いを見つめなおしてまたより深く愛し合おうとする、そんなアツアツな二人の、ロマンチック・コメディーなのです。

 では実際にシャルロットのご主人かというと、はいそのとおり。イヴァン・アタル=主演・監督 はこの映画が長編監督第一作目の、俳優さんです。他の映画でもシャルロットと共演しているので、もしかしたら見かけてことがあるかもしれません。この彼が脚本を書いて人に見せたところ、ぜひ映画化を!ということでこの作品になったとか。う〜んキバツ!でも、一回しか出来ない業なだけに、次作が危ぶまれる気が(笑)
 ご本人の演技もほんとうに軽妙で面白い。とくに演技コースでやらされる「花の開花」のシーンは爆笑物ですので、ぜひご覧くださいね。

 一方自分役を演じているシャルロット。本当に自分というわけではないのよ、という彼女も、表情だけで全てを語ることの出来る本物の女優さんです。どちらかといえば深刻な顔をしている映画の印象が強いですが(若いころは別として)、この映画では笑ったり泣いたりと本当にイキイキ!あぁ「生意気シャルロット」から何も変わってないじゃない!と感嘆しきりでした。

 フランスでは、あのお騒がせ歌手セルジュ・ゲーンスブールと、飛んでるアメリカ人ジェーン・バーキン(カバンのバーキンさんですね)は最初からその奇行?芸術的アクト?でマスコミを騒がせる存在でした。そして民衆も彼らを支持。いつのまにか二人にかわいらしい赤ちゃんが生まれ、少女が育ち、父親とデュエット、映画に主演、本物の女優に成長・・と、フランス国民にとって、シャルロットは最高級のサラブレッドであり、本当に小さいころから見守ってきた、芸能界のわが子状態。日本だったら、下手をすると皇族のお子さん(かこさんとかまこさんとか・・・大きくなったよねぇ)ぐらいのインパクトはあるかも。その彼女が結婚、出産(実際は二人イヴァンとの間にお子さんがいます)・・その私生活を垣間見ることが出来たようで、フランス国民も大満足の映画ではないでしょうか。美人ではないのになんでそんなに人気があるの?とたまに聞かれますが、おわかりいただけますでしょうか。(でも、すごいカワイイ!)

 さて、彼女の軟派な共演者、口説き屋ジョンにはテレンス・スタンプ。最近では「プリシラ」「私家版」「イギリスから来た男」「ホーンテッド・マンション」で好演を見せていましたが、、実は私の初恋の人(ポ)。年をとったらどうかなぁと思っていましたが、なんのなんの、立派な紳士に成長しました。懐かしいところで「夜霧のマンハッタン」なんかにちょい役してたころはどうしようかとおもいましたがねぇ・・。なんともいえない美老人で、そしてちょっとやらしいセクハラおじ様を上手に演じています。ステキ!とおもっった人、連絡頂戴!

ということで、おしゃれかわいいこの映画、フランス映画にしては珍しく、一緒に見ていた友達と腹がよじれるほど笑ったり出来ましたので

結論

万人受けするということで、450円!


ちなみに、ようするに「僕の妻は松嶋奈々子」で主演がスポーツ記者役の反町、見たいな感じよね?二度とは出来んな・・・。あ、「僕の母は松島奈々子」ができるか・・